大井川流域に育つ豊富で良質な木材
大井川の上流は、良質な杉や檜が育つ環境にあります。寒すぎず、暑すぎず、雨量も適量。安定した気候の中、人の手で成長を促進させることもなく自然に育つから、丈夫で扱いやすい木材になるのです。島田市は静岡県内でも森林の占める割合が多く、木材として使用できる木も豊富にあります。
丈夫で加工しやすい上、見た目もきれい。そんな良質の大井川流域の木材は建材や家具をつくるのに適しているため、古く江戸時代にお城や橋をつくるのに利用され始め、今現在に至るまで地場産業としてこの地域を支えてきました。
木製雑貨のシバモクショップ
そんな大井川流域の木材を使って、木製雑貨を製造販売しているお店が、島田市東町にあります。店頭にはオシャレで可愛らしい商品が並んでいます。食器、おもちゃ、家具、アクセサリー、お財布、バッグ……。全て木材を使っています。
女性デザイナーによる木製ピアス
大井川流域の杉材でつくられたピアスやイヤリングがありました。薄くスライスした杉材のツキ板と金属のシルバーを組み合わせた商品です。静岡県内を拠点に活躍している女性アクセサリーデザイナーが手がけています。
「シルバーと組み合わせたアクセサリーは昔から作っていました」
女性デザイナーによる和柄をベースにデザインされた木製アクセサリー。木材とシルバーと組み合わせることで商品の魅力は相乗効果を発揮しています。
決して高価な貴金属だけがアクセサリーとして好まれる時代では無くなっています。見た目が可愛くて気に入ってしまえば、どんなアクセサリーでも好まれる時代になりました。
「アクセサリーを木製で商品化しようと思ったのは、木のことを知らない人たちに知ってもらう“きっかけ”をつくりたかったから」
金属や石などで作られたアクセサリーと一緒に木製のアクセサリーが並んでいたら……。どれも同じ目線で見比べるでしょう。それぞれの特徴の違いに気づくはずです。木製のアクセサリーに惹かれ、興味を持つ人もいるでしょう。
厚さわずか0.3mm 木材をスライスする巨大なツキ板加工機
シバモクショップの裏の工場にある巨大な機械は、木材を薄くスライスする”ツキ板”を製造する加工機です。ピアスやイヤリングに使う木材はこちらの機械でつくります。
加工の厚さは、わずか0.3mm。何も問題なく加工が始まったように見えました。
自然素材である”木”を相手に刃物を入れる加工です。
木の種類で硬さも変わってきますし、同じ種類の木でも密度の違いは出てくるでしょう。季節や天候による湿度や温度でも密度や硬さに変化があるでしょう。当然、硬さや密度の違いで加工機の切れ具合を調整する必要があります。加工を繰り返していけば、当然、刃物も磨耗していきます。
ツキ板加工機のセッティングは長年の経験と木材のことを理解していないとできません。
木製品の魅力、木の魅力
「木の香りがする!って喜んでくれるお客様もいます。耳につけていると杉の香りがするんです。日本人が好む匂いのような気がします」
昔から日本ではあらゆるモノに木材を使ってきました。住宅のような大きなものから、タンスや棚、テーブルや椅子、食器やおもちゃ、ゴミ箱やチリトリのような生活用品まで……。
木は、日本人にとって馴染みのある材料です。
自然素材である木材は、同じ商品でも風合いが微妙に異なります。壊れても手直しが可能です。国内で自給できる素材であり、処分も容易です。
木材を使うことの良さは、想像以上にたくさんあります。
アイデアあふれるオリジナル商品たち
お財布やバッグといった、木材で作るのが不可能と思われるような商品もあります。木製なのにまるで革製品のように曲げたり伸ばしたりできるんですね。最近では新品で買うことができなくなっている、丸い天板の”ちゃぶ台”や長椅子などを展開する「温故知新」という商品シリーズもラインナップにあります。
興味を持った方は、ぜひ木製品に触れてみて欲しいです。使ってみれば、きっとその良さを実感してもらえるはずです。
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